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業界初“たまご”の機能性表示食品
島 �ｱ 弘 幸　イセたまご研究所　所長
平成時代には何も感じなかったが、令和という新しい年号を使うようになると、昭和が、急に子供のころ感じた明治のように、古く、遠い時代のように思えてきた。 　先日、大学教員時代の仲間、８人と、産総研臨界副都心センター「ライフ・テクノロジー・スタジオ」を見学してきた（集まる目的は、その後の飲み会にもあるのだが）。同センターは、何人かで事前に申し込むと、専門の担当者が懇切丁寧に案内と展示物の説明をしてくれる。展示されている創薬ロボットや、AIによる画像解析、人間工学に基づいて設計された、人にやさしい日用品など、興味深いものばかりであった。 　昭和の時代にはなかった新しい機器、例えば、わずかの試料でたくさんの項目が分析できる実験装置、疲れを知らず働き続ける創薬ロボット、あるいはそれらを駆使した研究の成果など。昭和の時代に全盛期を終えた我ら８名の元研究者には、隔世の感を改めて思い知らされた。昭和は遠くになりにけり。 　男は、７０歳になったとき、バーンアウトのように、急に先生業はもういいや・・・と思った。定年は６５歳で、その後は客員教授という名の、実際は非常勤講師と同じ講義だけ受け持つ教員をしていた。希望すれば、その後も続けることはできたが、なぜか、もういいという気持ちになった。 　その頃、イセ食品�鰍ﾌ顧問をしていたY氏から、大学を辞めるなら、うちで週２、３日、働きませんか、というお誘いを受けた。定年後、年金がとても安く、ゴルフもできないと感じていたこともあって、お誘いに飛びついた。月に２、３回、ゴルフに行くための小遣いを稼ぐつもりであった。 　１年が過ぎたころ、会長（オーナー）から、たまご研究所を作るように依頼された。JR鶯谷駅から徒歩１分にある自社ビルのワンフロアを空にして、床のコンクリートから打ち直して実験台、調理台、実験器具、流しから空調まで、最新の設備を備えた研究室を作った。研究室ができても、研究する人がいなければ研究はできない。もと居た大学から、申し訳ない気もしたが、若い人を二人引き抜いた。 　その成果が、この頃になって、やっと少し見えるようになった。その１つが、機能性表示食品で、この４月末、消費者庁から承認の電話をもらった。卵（生鮮食品）での機能性表示食品第１号が誕生した。 　　日本初、卵業界初の機能性表示食品 　２０１９年７月１日から販売する予定で、まだ売り出してはいない。現在は、弊社の多数の養鶏農場で、機能性の卵を産む親鶏から育てているところ。どんな栄養機能がこの卵にあるか、もし興味を持って頂けるなら、６月１日、JR有楽町駅前（徒歩１分）の朝日ホールまで、遊びに来て頂きたい。 　昨年と同様に、第２回イセたまご研究所一般公開セミナーを開催しますが、そこで、男が演台に立って、ご説明をする予定です。どうぞ、ご参加ください。 　お土産も用意しています。どうぞ、ブラッと遊びに来てください。令和の時代、日本の卵は、更に進化します。
2019/5/24
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