【訃報】
年々出席者が減るなか、昨年はまた思い掛けない同窓生の訃報が届いて参りました。たまたま音信のあった五十嵐吉彦さん(昭和44年度)と関根規由さん(昭和45年度)のお二人が亡くなられたことを知らされました。五十嵐さんについては、同期の井上博之さんから追悼文を頂きました。また、関根さんは奥様の克恵様よりメールを頂戴しておりますので以下にご紹介させて頂きます。
(他にも何か情報をお持ちの方は加藤までご一報頂けると助かります。宜しくお願い致します。)
五十嵐吉彦君との思い出
井上 博之 [昭和44(1969)年度]
五十嵐吉彦君が平成29年8月に70歳で亡くなられました。
五十嵐君と私は宮澤研の第2回生で、昭和44年4月に卒研生として宮澤研に入り二人で卒業研究のペアーを組むことになりました。テーマはDNAの塩基配列による安定性の解析でした。実験的には、大腸菌を培養しDNAを取り出しそれを切断しカラムクロマトでオリゴマーに分ける仕事をしました。
培養した大腸菌を集めるのに宮澤研の遠心機はバッチでしか作業ができず非常に時間が掛かるので、途中から築地のがんセンターに連続遠心分離機を借りに行くことになり、培養した大腸菌液をポリタンクに入れて地下鉄でがんセンターに出かけて行きました。
また、カラムクロマトでは尿素を使ったため濃度勾配の溶液が実験台にこぼれると宮澤先生から、ジョーンズホプキンス大学でも尿素のカラムクロマトをやっていた者がいて、実験台をよく汚していたよとからかわれました。
研究室の仲間とはよく麻雀をやったことを覚えています。夏休みになると大月の先生の家に行き三食昼寝付きで麻雀をやりました。
卒業後はそれぞれ別々の道に進み、私は静岡で医薬・農薬・化学物質等の安全性(毒性)の仕事をし、五十嵐君はマスターを出た後栃木の獨協医大で横山先生の生化学の教室の助手をしたので、両者遠く離れ宮澤研の新年会でしか会えなくなりました。
一度だけ五十嵐君が旅の途中で静岡に寄ってくれたことがありました。
両者とも仕事が忙しくなり新年会にも出られなくなると会う機会がほとんど無くなり年賀状のやりとりだけになってしまいました。その後、五十嵐君が学位を取りポスドクでワシントン大学に行くことになり、再会のチャンスが巡ってきました。
私はアメリカの毒性学会(Society of Toxicology)のFullメンバーで2〜3年毎に学会の年会に参加していて、ちょうど学会がシアトルで開催されることになったことから、向こうで会うことができました。私はシアトル訪問が2回目でしたがあまり観光はしたことがなかったことから、五十嵐夫妻にシアトルを案内してもらい、ワシントン大学の研究室も見させてもらいました。放射性物質の使用が日本ほど厳しくないことに驚かされました。
ご夫婦にクラムチャウダーが美味しい店に案内され、翌日はお返しに生牡蠣の店で食事をしたことが思い出されます。昨年送られてきた、お孫さんと楽しく笑っている写真の年賀状が最後となってしまいました。五十嵐君安らかに。 (了)
五十嵐吉彦さんは、平成29年3月すい臓がんの疑いで入院し、細胞診の結果がんが見つかり抗がん剤の治療を開始されました。肝臓への転移もあったようですが、薬石効なく8月にご逝去されました。ご冥福をお祈り致します。
加 藤 良 一
関根規由さんご逝去
関根克恵様(奥様)より加藤良一宛に頂いたメールより(平成29年11月15日)
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夫は平成29年1月に肺がんと診断され放射線治療と抗がん剤治療で夏までは元気でしたが、7月末に同年2月に認可されたばかりの抗がん剤を一度受けてから副作用が出てしまいました。
8月に10日間入院して副作用もおさまり退院しましたが、10月に同じ副作用(間質性肺炎)が強く出て、退院を楽しみにしていましたが家に帰ることはできませんでした。
二男のお嫁さんの夢美ちゃんとフェイスブックでお友達になっていただきありがとうございます。今、ペルーのアマゾン川で仕事をしていて明後日帰る予定です。
出発前に夫のお見舞に来てくれたとき自分に何かあっても決して帰って来ないで実験を成功させるように!と言っていましたので、何か予感するものがあったのかもしれません。
これからもいままでとかわらぬお付き合いのほどよろしくお願い致します。
関根克恵
あの関根さんが亡くなられたとはいささか急なことで驚いております。昨年の新年会にはお元気で出席されたのですが。
2年前でしたか、築地の寿司屋で当時関根さんが輸入販売を手掛け始めたブルーベリーMEDOXの販売のことでご相談を受けたこともありました。お役に立てるような助言がもちろんできませんでした。
関根さんからは、海外の話しもよく聴かせてもらいました。彼なりに一生懸命やっておられたと思います。仲間が一人減って残念です。ご子息のお嫁さんは東京大学出身で、京都大学研究員として、現在ペルーのアマゾンでマナティの研究をされています。私とはfacebookを通じてやりとりしています。
ご冥福をお祈り致します。
加藤良一
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