M-138

コーラル・ソシア 3rdコンサート



加 藤 良 一


2016年9月28日







 指揮者の南めぐみさん率いる女声合唱団コーラル・ソシアのコンサートに男声合唱団ヴィヴ・ラ・コンパニー(ヴィヴコン)がゲスト出演しました。

 南めぐみさんは、埼玉県合唱連盟理事でヴィヴコンとは、全日本男声合唱フェスティバルin岡山2014in京都2015in高知2016と連続3回指揮をお願いしている間柄です。

平成28年9月22日(祝・木)

川口総合文化センターリリア・音楽ホール
指揮:南めぐみ、ピアノ:藤田智子、三線:堀口浩司、フルート:千野仁誉
ゲスト:男声合唱団ヴィヴ・ラ・コンパニー(指揮:須田信男)


 オープニングは、挨拶がわりの女声合唱「歌が生まれる」(なかにしあかね作曲)で開演しました。

Stage 今、絶大な人気を誇る作曲家なかにしあかねの作品など4曲が演奏されました。
・女声合唱組曲「よかったなあ」より    まど・みちお作詩/なかにしあかね作曲
  小鳥たち
  ケヤキ
・女声合唱のための「うた・ねがい・星めぐり」より    佐藤信作詩/林光作曲・編曲/大森栄一女声合唱版改編
  うた
・女声合唱のためのソングブック「三十五億年のサーカス」より    佐藤信作詩/林光作曲・編曲/大森栄一
  三十五億年のサーカス

Stage-1 2ステ前半はゲストのヴィヴコンによる男声合唱の定番曲。指揮は埼玉県合唱連盟理事/男声合唱団メンネルA.E.C.の須田信男さん。
斎太郎節(さいたらぶし)  宮城県民謡/竹花秀昭編曲
・男声合唱組曲「雨」より  八木重吉作詩/多田武彦作曲
  
君といつまでも  岩谷時子作詩/弾厚作作曲/小池義郎編曲

 ソシアさんからのリクエストは、「これぞ男声合唱!という曲を歌って欲しい」でした。それで選ばれたのがこの3曲、どうも取り合わせとしては奇妙ですが、持ち時間との絡みでとりあえずバラエティに富んでいいかなという感じです。
 「斎太郎節」と「君といつまでも」は、グリークラブ・アルバム3に収載されていますし、「雨」は同じくアルバム2に載っていますから、男声合唱の潜りでなければほとんどの人が持っていますし歌ったことがある曲です。埼玉県合唱連盟発行の定番20曲ばかりを集めた「おとうさんコーラス愛唱曲集」にも「斎太郎節」と「雨」は載っています。

 さて、練習を始めてみると定番中の定番なのに、意外にも練習に時間がかかりました。おそらくふだん歌う時は飲んだときでしょうから、たぶん適当に歌っていたのではないでしょうか。だからマジで歌うと意外と大変なのでした。それに加えて私自身「君といつまでも」は長年手書きの編曲楽譜で歌ってきたので、今回使ったグリークラブ・アルバム3の楽譜で歌うのは初めてでした。男声ステージは32名がオンステで、パートバランスも良い構成となりました。
 私加藤はヴィヴコン代表としてMC(コンサートの進行役)をとのご指名があったので、南めぐみさんとの出会いや男声合唱プロジェクトYARO会=ヴィヴコンの歴史などをご披露しながら曲の紹介をしました。
 MCをやるにあたって、事前にある程度頭の中で整理してはいましたが、当時の朝目覚めたときにふとアイデアが浮かんできたんです。「ヴィヴ・ラ・コンパニー」なんてふつうは知らないですよね。そこで、元になったネタをお聴かせすればそのものズバリでわかりやすかろう、というわけで乾杯ソングの“Vive L’Amour”をひと節歌うことにしました。

 いざやあげよ杯、Vive la Compagnie!
  花のごとき乙女に、Vive la Compagnie!
  Vive la, Vive la, Vive L’Amour, Vive la, Vive la, Vive L’Amour,
  Vive L’Amour, Vive L’Amour, Vive la Compagnie!


 本番直前のリハでそのことをみなに伝え、急きょ指揮者の須田信男さんにソロを頼み23回練習してぶつけることにしました。「マジかよ…」との声をよそに強行、ぶっつけにしてはどうにかカッコがついたのは、何かにつけて歌う機会がある曲だったからでしょうか。
男声の迫力ある─けれどちょっと荒っぽかった…「斎太郎節」のソロは国田武邦さん(メンネルA.E.C.)、一転して男の優しさ柔らかさを思いっきり表現した「雨」のソロは宇佐美平和さん(イル・カンパニーレ)、そして誰もが口ずさんで楽しく聴ける「君といつまでも」の しあわせだな~ のセリフは大島誠一郎さん(あんさんぶる「ポパイ」)でした。

Stage-2 2ステ後半はソシアの女声合唱。
・無伴奏女声合唱組曲「大きな木」より    島田陽子作詩/なかにしあかね作曲
  たらたらと
にじ色の魚  村野四郎作詩/木下牧子作曲
・歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲集より  P.Mazzoni作詩/P.Mascagni作曲/しげもとまさあき日本語訳/江上孝則編曲
  Ave Maria
Ave Maris Stella  E.Ugaide作曲

 男どもの演奏から一転、華やかな女声合唱に変わり、聴いていて観ていて飽きない構成となっていました。ところが、肝心の女声合唱についてコメントできないのが心苦しいのですが、われわれは出番以外は舞台裏にいたので、女声合唱をほとんど聴けなかったんです。

         

Stage-1 休憩ののち、3ステ前半は女声のアラカルト。
NHK「歴史秘話ヒストリア」オープニングテーマ  梶浦由記作詩・作曲/Takahiro Iwase編曲
  storia
  富田京子作詩/奥居香作曲
歩いて帰ろう  斉藤和義作詩・作曲/Tsing-moo・森友紀編曲
いのちの歌  Miyabi作詩/村松崇継作曲/今村康編曲

 storia」では千野仁誉さんのフルート伴奏が彩りを添えていました。また、演出家の北山敦子さん振り付けによる「歩いて帰ろう」では、男どもじゃとっても真似できない女性ならではの素敵な振り付けがなされていました。

Stage-2 女声終了後、男声陣が入場して最後の混声合唱へと移りました。
海の声  篠原誠作詩/島袋優(BEGIN)作曲/古川陽子合唱編曲
365日の紙飛行機  秋元康作詩/角野寿和・青葉紘季作曲/野田学合唱編曲・ピアノ編曲
覚和歌子の詩による混声合唱組曲集「等圧線」より  覚和歌子作詩・信長貴富作曲
  リフレイン

 混声ではソシアの規模に合せてヴィヴコンを同じほどの19名に絞りました。最初の曲「海の声」は、沖縄の海岸に打ち寄せる波の音で静かに始まり、そこへ三線の物悲しい音色が流れ、沖縄の海と空が会場いっぱいに広がります。

   空の声が聞きたくて 風の声に耳すませ 海の声が知りたくて 君の声を探してる …

 男声から歌い始め、ついで女声との合唱へと移り、どこか切ないけれど沖縄の空のように明るく歌っていきます。

   たとえ僕がおじいさんになっても ここで歌ってる 君だけを想って

 なかなかしゃれた歌詩です。

 沖縄三線は、合唱団ひぐらしなどに所属している堀口浩司さんが弾いてくれました。さらに効果音源ではなく、実際に柳ごうりに小豆を入れて波の音を出すなど、徹底した表現を求めていたのには感心しました。
 2曲目の「365日の紙飛行機」は、AKB48が歌ったNHK連続テレビ小説「あさが来た」の主題歌だということでしたが、じつはNHKの連ドラは観たことがないし、AKB48もまともに聴いたことがなかったのです。しかし、この曲は歌ってみてなかなかいい曲だと思いました。
 最後の「リフレイン」はソシアのメンバーが大好きな曲とのこと。ぜひフィナーレをこれで飾りたいとの思いが強かったようです。お客さんの反応もよく、あらためて素晴らしい曲だと再認識された方もおられました。ピアノは全ステージ通して藤田智子さんが担当されました。お疲れ様でした。

 そして、アンコール。まずヴィヴコンがスピリチュアルズEvry Time I Feel The Spirit」を歌い、最後にソシアが相澤直人作曲「ぜんぶ」で締めくくりました。


 
    
   
     
 
   
  
    
     
 
  
 
 
 
  
    
 


 



      

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