神奈川の男声合唱事情 ─ 洋光台男声合唱団



瀬 野 俊 樹

2019年4月1日






 神奈川県で演奏活動をしている洋光台男声合唱団(通称「洋男」Yohdanを紹介します。
 
洋男は1985年に結成されました。旧日本住宅公団が昭和40年代に開発した洋光台団地(横浜市磯子区)を本拠とする、合唱レベルも実績もごく並みの地域合唱団です。洋光台は2016年、映画シン・ゴジラの舞台にもなってちょっと有名になったでしょうか? 現在、UR都市機構が全国の「団地の未来プロジェクト」のモデルケースとして再整備を進めています。
 音楽監督は、バリトン歌手として活躍中の宮本益光氏です。
   宮本益光:プロフィール https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%AE%E6%9C%AC%E7%9B%8A%E5%85%89

      

 団員は現在約50名、平均年齢73歳。団員には中学生のころから50年以上も合唱を続けている者もいれば、70歳を過ぎてから洋男で初めて合唱に触れた者もいます。定例練習日は毎日曜日の18時から2030分。しばしば、16時ごろから打合せ、パート練習、ヴォイストレーニングが行われます。
       ホームページはこちら⇒ https://yodan.jimdo.com/

 活動は、ほぼ隔年開催の洋男演奏会とKAMCA神奈川男声合唱協会合同演奏会参加を基軸としています。10余年前までは通算4回の海外遠征を行い、またドイツの合唱団を迎えて2回のジョイントコンサートを開催しました。2010年には東京リーダーターフェル1925とともにベルリンリーダーターフェルを横浜に迎えましたが、近年はもっぱら国内交流が主になっています。
 20139月第11回演奏会に茨木県日立市の常磐ひたちメンネルコールを招き、20165月には日立市を訪問して常磐ひたちメンネルコールの第9回定演に出演しました。20178月には愛媛県松山市のえひめグリークラブを訪問して交流会を楽しみました。埼玉県連主催の関東おとうさんコーラス~彩の国男声コーラスフェスティバルには有志グループで14年間参加してきています。


◇ 第14回演奏会 開催間近!
 洋男は、来る2019年5月18日(土)に第14回演奏会を開催します。会場は横浜市中心部の神奈川県青少年センター。
 演奏会では、音楽監督宮本益光氏がつぎの曲を指揮します。
   男声合唱のための「オホーツク・スケッチ」(寺島陸也作曲)
   男声合唱とピアノのための「唱歌の四季」(三善晃編曲)

 団員指揮者の渋谷壽一上杉明が以下の曲を担当します。
   岬のうた」(磯部俶作曲、西岡光秋作詞)
   ポップス・アニメ・ミュージカルのアラカルトステージ “ポップスおもちゃ箱”

 三善晃先生の「唱歌の四季」は、2015年開催のJAMCA22回演奏会の合同演奏曲。演奏をYoutubeで拝見(拝聴)し、またJAMCA演奏会を契機に男声合唱版が出版されたことを知って異議なくこの曲の採択となりました。
 「岬のうた」は、いそべとし男声合唱団で歌われてきた磯部俶先生の作品。同団から楽譜を提供いただきました。
 「オホーツク・スケッチ」は、北海道の鰊漁師たちに唄われた民謡のアレンジで、勇壮でダイナミックな曲ですが、僕らにとっては難曲。とくに第1曲の「舟漕音頭」の各パートが半拍ずつずれてラストに向けて歌い上げるところは超難関。果たして5月の演奏会までにマスターできるでしょうか?


  2019年のステージ
 ステージは次の表のとおりです。

イ ベ ン ト 開 催 日
  コーラスイン神奈川 22日(土)
  洋光台梅の里祭り 16日(土)
  ヨコハマコーラルフェスト 17日(日)
  港南中央ケアプラザ訪問 331日(日)
  洋男第14回演奏 518日(土)
  港南区音楽祭 26日(日)
  神奈川県合唱祭 623日(日)
  特養老人ホーム中原苑訪問 916(月)
  KAMCA男声合唱セミナー 29日(日)
  彩の国男声コーラスフェスティバル 105日(土)
  洋光台音楽の集い 19日(土)
  洋光台三小オータムフェスタ 20日(日)
  洋光台賑わいフェスタ 11月9日(土)
  南部病院ロビーコンサート 1221日(土)

 
 演奏曲の選定は、次の演奏会に向けて2年に1回、音楽監督と団員指揮者たちを中心に行います。
 音楽監督の方針で、

  1. 清水脩、高田三郎先生のようないわば古典的作曲家の作品
  2. 寺島陸也、信長貴富先生のように今まさに現役で活躍中の作曲家の作品
  3. お客様もよくご存じの楽しんで聞いていただける曲のステージでバランスを取る

 そして、そのうち1ステージは、洋男にとってはちょっと(大いに)背伸びする曲を加える。この方針は今度の第14回演奏会ステージからもご理解いただけると思うが、ご参考までに前回、前々回の演奏会の構成もご紹介しておきます。

12回演奏会
20155
 男声合唱とピアノのための「啄木短歌集」(高田三郎作曲)
 大中恩合唱曲集
 世界のうた(愛唱歌ステージ)
 男声合唱とピアノのための「我が詩友」(信長貴富作曲)

13回演奏会
20174

 遥かなるロシアの大地~ロシア音楽メドレー~(青木雅也編曲)
 寺山修司の詩による6つのうた「思い出すために」(信長貴富作曲)
 多田武彦合唱曲集
 ニューミュージックと呼ばれた歌たち~時代~(信長貴富編曲)

 


   洋男の運営

 音楽監督の宮本益光氏は、芸大院生時代にヴォイストレーナーとして指導いただいて以来、もう20年を超えてお付き合いいただいています。元々教師志望だったと言われるだけあって指導熱心、僕らにとっては最高の指導者ですが、惜しむらくは忙しくて、洋男に見えるのはせいぜい月一くらいなこと。もちろん演奏会が近づけば、先生の都合に合わせて、臨時練習日を設けて指導いただいています。

 プロの音楽家を常任指揮者ではなく、音楽監督として迎えているのは、団の活動は団員が担うべきという、団発足以来の、なにやら学生の部活のような意気込みの表れです。前出の団員指揮者のほかにもう一人、というか3人中の古手株として菅野博が練習指導陣に加わり、さらに前団長、元指揮者の森孝男も地元イベントでタクトを振ります。

 ピアニストは2人体制。北鎌倉女子学園―桐朋学園大学ピアノ科ともに先輩後輩のママさん。洋男担当日は二人で相談して決めていただいています。そして、ヴォイストレーナーはベース系が小田川哲也先生、テナー系が布施雅也先生。
 現在はベース系、テナー系それぞれ2か月に11時間半。もっと基礎を固めるべきかもしれないが、ついついイベントへ向けての演奏曲マスターを優先しがちになってしまいます。このあたりの兼ね合いは悩ましいところ。

 10年前から、洋男のマネージメント系役員、つまり団長、副団長及び総務、会計、渉外の各部長以下の任期は24年に限っています(同一ポストを連続4年を超えて続けることはありません)。多くの団員に団の運営に参加してもらい、団の活力を維持しようというルールです。昨年、一昨年に入団したばかりのメンバーも団運営の主力となりつつあります。





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