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 飾らない音楽仲間の集い<クッキー会>12/18
 新作歌劇<幕臣・渋沢平九郎>のお知らせ12/4
 東京リーダーターフェル1925 定期演奏会201911/16
 鷲宮ウインドアンサンブル第26回定期演奏会(1/14
 清水雅彦 テノール リサイタル(1/5






飾らない音楽仲間の集い<クッキー会>12/18
 
 
埼玉県久喜市に住む音楽仲間が誰からともなく声を掛け合って居酒屋で音楽談義をするようになったのが20178月でした。

 そのきっかけは、サキソフォン奏者でありながら
合唱の世界とも縁が深い江川善裕さんが、たまたま新祖章さん(全日本合唱連盟関東支部事務局長)と久喜で飲んでいて、他にも引っ張り込もうということでお声が掛かったというわけです。

 その後、男声合唱団コール・グランツの星野英明さん、久喜市に実家がある南めぐみさん(埼玉県合唱連盟常務理事)、そのご子息・南航平さん(トロンボーン奏者)、男声あんさんぶる「ポパイ」の大島誠一郎さんも合流し輪が拡がってゆき、いつしか
<クッキー会>と名付けられました。



   

      

 江川さんが合唱とつながるようになったきっかけは、
1997年に開催されたWorld Youth Choir 日本公演の際、合唱センターの事務長が病気のためその代わりを務めたことから始まったようです。

 星野さんは大学時代からホルンを吹いていましたし、私加藤も下手の横吹きで一応フルートを持っていますので、楽器の話になるとけっこう盛り上がります。

また、クッキー会のご縁で、新祖さんの娘さん・恵土友梨さん(ピアノ)と江川さんのスペシャルデュオライブも実現しました。

 



 これからもみんなの都合がよいときに気軽に集まるグループとして続けていきます。







新作歌劇<幕臣・渋沢平九郎>のお知らせ12/4

 いま、埼玉県深谷市で「渋沢平九郎」をテーマとした新作歌劇の準備が進んでいます。脚本は酒井清さん、作曲は西下航平さんのコンビです。西下航平さんは、作曲、編曲、指揮、ピアニスト、薩摩琵琶奏者という五足の草鞋を履いた才能溢れる音楽家です。

                ↓この画像をクリックするとあらすじ(PDF)がご覧になれます
          


 主人公渋沢平九郎とは、聞きなれない名前ですが日本資本主義の父」と謳われた渋沢栄一翁の養子となった人物です。

 渋沢栄一は、現・深谷市の出身で、江戸時代末期に農民から武士として幕臣に取り立てられ、その後明治政府では大蔵少輔事務取扱として財政政策に携わりました。退官後は実業家へと転じ、第一国立銀行、理化学研究所、東京証券取引所など数多くの会社を設立しその経営に関わりました。現・一橋大学、現・東京経済大学の設立にも尽力しています。このような功績から「日本資本主義の父」と称されるに至っています。また、令和6年(2024)には新しい一万円札の顔として印刷されますし、令和3年(2021)には渋沢栄一を主人公としたNHK大河ドラマ『青天を衝け』の放送も予定されています。


      


◇ 
平九郎は弘化4年(1847)、武蔵国榛沢郡下手計村(しもてばかむら:現・深谷市)の尾高家に生まれました。かたや、幕臣となっていた渋沢栄一は、将軍名代の徳川昭武に随行してフランスへと渡りましたが、その際平九郎に留守を任せるために養子としました。平九郎はそれを機に渋沢姓を名乗り、江戸で幕臣の子としての生活をはじめました。
ところが翌年には新政府軍が江戸へせまるという事態が勃発したことで、平九郎は彰義隊の結成に参画し、そこから分派した振武軍に加わり、飯能(現・埼玉県飯能市)において新政府軍との戦いに臨み、22歳の若さで生涯を閉じました。


◇ 平九郎が幕末維新の激動期にどのような決断をして戦い、その結果22歳という若さで切腹に追い込まれていったのか、新進の作曲家・西下航平さんが曲を書き下ろし、それに合わせて酒井清さんがどのように脚色してゆくのか。期待が膨らみます。
 演奏会は2020523日(土)、年明けから練習が始まります。オンステしてみようかという方はぜひご参加下さい。

 余談ですが、男声合唱団ヴィヴ・ラ・コンパニーは深谷市にはちょっとしたご縁があります。201510深谷市民文化会館で開催された深谷市立上柴中学校音楽祭にゲスト出演したのです。おじさん合唱団が中学生と一緒に歌ったり、質問に答えたりと楽しいステージでした!






東京リーダーターフェル1925 定期演奏会201911/16

 男声合唱団東京リーダーターフェル1925は、その名のとおり大正14年(1925)に創立された日本で最も歴史の古い社会人男声合唱団です。2020年には創団95周年、その先の2025年には100周年を迎える歴史のある老舗合唱団です。

    

 リーダーターフェルLiedertafel とは、ドイツの男声合唱運動ということです。この団体は1971年に全国に働きかけて、日本男声合唱協会(JAMCA)を発足させています。現在はその理事団体として中心に位置し積極的な活動を続けています。また、海外との交流も多く、ドイツをはじめとして海外遠征も極めて数多くこなしています。さらに国内作曲家への作品委嘱も多く、レコードやCD、楽譜の出版などふつうの合唱団ではなかなかできない企画にも取り組んでいます。
 メンバーの年代層は幅広く構成されています。専属のヴォイストレーナーを置き、しっかりした組織体制の中で質の高い音楽創りに励んでいる姿は羨ましいかぎりです。さらにはNPO法人格の取得など一般の合唱団では考えられないものです。

M.G.V.Tokyo LIEDERTAFEL 1925
男声合唱団東京リーダーターフェル1925 定期演奏会2019

2019/11/16
すみだトリフォニーホール・大ホール


          

 1ステージは客演指揮者佐藤拓さんによる「バルト3国を巡る」ステージ。バルト海に面して隣り合うエストニア、ラトビア、リトアニアのそれぞれの言語で歌われました。意味はほとんどわかりませんが、プログラムの「曲目解説」を頼りに楽しく聴きました。トルミスやミシュキニスなど人気の高い作曲家の曲が並びました。

 2ステージはお馴染み多田武彦の組曲「雪明りの路」が常任指揮者樋本英一さんの指揮で演奏されました。この曲は暗譜で歌われ、トップテナー:15、セカンドテナー:17、バリトン:16、バス:14、計62とは思えない繊細さや緻密さがあり、いっぽうでホールを鳴り響かせ圧倒するフォルテッシモの緊迫感は思わずブラボーと叫びたくなるものでした。

          

 そして第3ステージでは、ソプラノ歌手伊藤 晴さんを迎えてのオペラ合唱曲集のオムニバス。ヴェルディ、ウェーバー、ワーグナー、グノーなどのお馴染みの曲が披露されました。細かな振り付けはしませんが、曲によって合唱団がステージの上手に寄ってやや上を見上げるような形で歌うなど、いくつかの演出がありました。ただし、譜持ちの方と暗譜の方が入り混じっていたのはオペラにしてはやや勿体ないという感じが残りました。

 何人かのメンバーがちがう衣装でオンステしていましたが、これはいわゆるワンステージメンバーでした。202012月に予定している創立95周年記念演奏会では、三木稔作曲<合唱による風土記「阿波」>とマーラーの<さすらう若人の歌>に向けてワンステメンバーを募集しています。

 恒例のアンコールはウェルナーの「野ばら」を会場と一緒に歌います。プログラムの最後に楽譜が掲載されていて、番をドイツ語、番を日本語で大合唱してお開きとなりました。





鷲宮ウインドアンサンブル第26回定期演奏会 平成から未来へ~つなぐ~1/14

   2019114
   久喜総合文化会館大ホール


 クッキー会のお仲間、サキソフォン奏者の江川善裕さん率いる鷲宮ウインドアンサンブルの定演を聴きました。鷲宮ウインドは、埼玉県久喜市を中心に活動する、吹奏楽曲中心のバンドです。吹奏楽アカデミーと題する各楽器の専門家を招いての公開レッスンをシリーズで開催しています。

プログラムノートには次のようなことが書かれていました。
 「昨年の春、今回の定期演奏会のプログラムを作成するための団員全員による会合を持った。そこで、今回が平成最後の演奏会になるので「平成」にまつわる作品をジャンルごとに集めることにしてみた。」
 
ということで、次のような3ステージ構成のプログラムが組まれました。
【第1部】 「平成」にまつわる音楽と吹奏楽
 祝典行進曲/團伊玖磨
 バンドのための民話/ジム・コーディル
 さくらのうた/福田洋介
 組曲〈仮面舞踏会〉/アラム・ハチャトゥリアン

 【第2部】 素晴らしきトランペットの世界
 Isn't she lovely/スティービー・ワンダー
 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』より デボラのテーマ
 上を向いて歩こう
  ★ゲスト:関山幸弘(元NHK交響楽団首席トランペット奏者)
           
 【第3部】 未来へ・つなぐ 
 『美女と野獣』より ひそかな夢
 『グレイテスト・ショーマン』より This is me
 『名探偵コナン から紅の恋歌』より 渡月橋~君 想ふ~
 『コード・ブルー』より HANABI
 『半分、青い。』より アイデア

  今回は、元NHK交響楽団首席トランペット奏者、関山幸弘さんがゲスト出演され、みごとな演奏を披露してくれました。アンコールの「じょんがららっぱ」は、トランペットの魅力が如何なく発揮された楽しい曲でした。






清水雅彦 テノール リサイタル こどもを想う~未来へ1/5

 正月早々、築地でテノール歌手清水雅彦さんのリサイタルを聴きました。

201915
浜離宮朝日ホール
ピアノ 鈴木真理子


 清水さんは、現在都留文科大学教授、東京藝術大学音楽学部非常勤講師、日本合唱指揮者協会・「音楽樹」・三輝会会員、全日本合唱連盟国際委員をされています。著書に「コーラスを歌おう─発生の初歩からステージまで」、「合唱エクササイズ指導編」などがあります。



プログラム】
Ⅰ 六つの子供の歌
   中田喜直 曲



Ⅱ 教室のこどもたちのために新しい日本の歌
   三善 晃 曲
    貝がらのうた(三善 晃)
    仔ぎつねの歌(三善 晃)
    栗の実(三善 晃)

    かっぱ(谷川俊太郎)他


Ⅲ Fragments
  ~特攻隊戦死者の手記による~
  <委嘱作品再演>信長高富 曲(2009)


Ⅳ 信長貴富 歌曲三題
    希望の歌(やなせたかし)
    愛するネッシー(やなせたかし)
    未来へ(谷川俊太郎)
 


 清水さんが今回のコンサートに込めたコンセプトは、“こどもの抱く思い”、“こどもを想う大人の思い”です。昭和を代表する中田喜直、三善晃、そして昭和・平成から未来へと繋ぐ信長貴富の作品が演奏されました。

 とくにFragmentsは、太平洋戦争末期に日本軍が編成した特攻隊を採りあげ、歌と語りとでストーリーを展開してゆくもの。委嘱を受けた信長さんは、作曲にあたり、特攻に対して極力多方向から光を当てることに苦心したといいます。特攻隊員の個人史というミクロの視点と、国家による殺人システムの構築というマクロな視点を描いています。タイトルのFragmentsは「断片、かけら」の意ですが、曲中のセクションごとに連続性はなく、各セクションを屹立するように存在させ、互いを際立たせるように工夫しています。

 プログラムに寄せた信長さんのコメントでは、以下のような思いが述べられていました。

   作品数としては合唱曲が圧倒的に多い私ですが、独唱曲も少しずつ増え、歌曲集が3冊ほど出版されるに至りました。独唱の世界から縁の遠かった私をその入口に立たせてくださったのが、清水雅彦先生であり、歌曲集の収録作品の多くを清水先生による委嘱作品が占めています。
 「Fragments」はその代表格です。衝撃的な初演は今でも忘れることができません。清水先生と鈴木真理子先生は、演奏によっていつも私に多くの学びを与えてくださいます。本当に有難い経験です。今日も感謝とともに拝聴させていただきます。
 

 Fragmentsは、特攻隊兵士の生きたいと願う痛切な思いや、戦争の悲惨さ、矛盾を描き出した印象深い曲です。
あるときは切々と訴えかけるように、またあるときは爆発するような歌と、それと競い合うかのようにエネルギッシュなピアノが応えます。大変聴きごたえのある曲です。


 会場には、作曲者の信長貴富さんがお越しになっていました。また、以前Fragmentsを演奏をされた指揮者の山脇卓也さんなどもお越しになっていました。

 清水さんの演奏ではありませんが、合唱団お江戸コラリアーずによる、男声合唱とピアノのための「Fragments」がyoutubeにあります。ご興味をお持ちの方はごらん下さい ⇒ 







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