女 性 の 狙 い 方


 



加 藤 良 一

 


2004年2月15日





  スポーツマンシップを発揮するとはどんなことだろうか。勝負であれば、最後は勝利することが目標だが、そのために手段を選ばないのはスポーツマンシップに反するともいわれる。正々堂々と公明に闘って勝たなければならない。
 相手の弱点がボディーにあると読めば、そこへ徹底的にパンチを撃ち続けられる技術とパワーを具えたボクサーが名選手と称えられる。また、サッカーならば、敵のディフェンス陣の破綻を狙ってゴールを奪えるのが名ストライカーである。相手の手の内やレベルをいかに素早くつかんで自分の土俵に引き込めるかが勝敗の分かれ目である。つまり相手の弱点を狙うことは、けしてスポーツマンシップに反することではないということだ。

 さて、ここにちょっと悩ましい問題がある。テニスに“ミックスダブルス”という男女がペアになって闘う種目がある。男性より女性の方がパワーが弱く、スピードも遅いのがふつうである。もちろんそうでない場合も結構あるが…。誰しも勝ちたいと思って参加している。相手の弱点を早く見抜いたチームに分があるのが当然である。では、どう闘ったらよいか。

 意識的に女性が狙われるのはやむをえない。そうなった場合、男性が女性をカバーするため、本来のフォーメーションが崩れてしまう。相手はまさにそれを狙うわけだが、これが果たして卑怯な手段といえるかどうか。どう考えたらよいだろうか。勝負と割り切って徹底的に女性を狙ってもよいものか。そうはいいながら、セオリーを無視してまでむりやり女性ばかり狙うようなことをすれば、自分たちが不利になる危険もあるし、相手の女性が強ければ話しはまったく変ってしまう。

おそらく女性は、どちらにしてもほとんど悩むことはない。相手が女性であれば対等だし、男性であればとにかく思いきってプレーすればよいだけである。やりにくいのは男性である。男性の立場にしてみると、まず女性にサービスを打ち込むときから神経を使ってしまう。へんに気がねして力を抜こうものなら、自分で 自分のペースを崩しかねない。 また、ラリーを続けるときも、女性に返すときと男性に返すときとで打ち分けるとなると調子が狂って しまうだろう。

 ミックスダブルスでは、フォーメーションをどうするかもけっこう重要である。どんな形がもっともよいかというと、前衛に男性がいる雁行陣だろう。一般的にいって女性は頭上をロビングで抜かれるのに弱いことが多いので、後衛を守るほうがよい。しかし、パートナーの力量によっていちがいには決められない。女性によっては、ロビングを上げられてもスマッシュを打てる人もいれば、フォアサイド(自陣の右半分)よりバックサイド(左半分)のほうが適している人もいる。

 ミックスダブルスで面白いのは夫婦ペアの場合である。筆者は経験がないから見当がつかないが、ひどいときはケンカしてしまうケースもある。夫婦と他人とでは、たしかに気の持ち方にもちがいがあるのだろう。ケンカしていたら試合に勝つことなどできない。どうすればケンカしないか、などということを書いているホームページを見たことがある。ケンカしないための秘訣として、絶対に怒らない、けなさない、無理にこうしろといわない 、コミュニケーションをとる、となっていたが、なんだかそのままふだんの生活にも当てはまりそうな内容で、思わず苦笑してしまった。
 ミックスダブルスは、 いろいろとむずかしいものがあるけれども、それなりに楽しめるものでもある。レベルが同じくらいなら、かなりのウェイトは女性の力量にかかっている。





近県古河テニス大会(茨城県)ミックスダブルス
古河市体育協会/古河テニス協会主催
 
2004年2月8日に行われたミックスダブルスには、60ペアほどが集まった。
わが栗橋テニスクラブ(埼玉)からも4ペアがエントリー。
コーチクラス、現役の大学生なども出場していて
全体としてはかなりレベルが高い部類に入る大会であった。

われわれの戦績は誌面の関係で割愛させていただく。




 


 SPORT Topへ       Home Page