漢  詩



北欧フィヨルドの旅



 津 田 西 山    

    

 

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西

 




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○平音 ×仄音 ◎韻       下平六麻韻(車、斜、涯) 

 

北行し、幾度か船、車を換える
漸く一邨に到り、日既に斜なり
薄暮の峡灣(フィヨルド)、波自ずから靜かなれば

愁然として柱に倚り、天涯を眺む

 


 短い夏が終わるころ、ノルウェイの西海岸をフィヨルド急行バスにて、一日かけて北上。ベルゲンからオーレスンに着いた。
 予約もせず、思い立って旅行に出たので、人気の豪華客船による西海岸北上の切符は取れず、バス旅になった。
 フィヨルドを直進するので、おのずとフェリーでバスごと向こう岸に渡ることになる。何度か。ようやく目的の町に着いたのは、夕日が傾くころ。
 ホテルの窓から、夕暮れ迫るフィヨルドを望む。ここは入り組んだ湾のなか、波はない。
窓辺の柱に寄りかかって夕空を眺めていると、センチメンタルな気持ちになる。
遠く日本を離れて。

  2018年1月6日
 
 
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