書き始めたきっかけ……
1991年から2009年まで、(書いたのは前年の暮近くだから正確には1990年から2008年ということになるが、)年賀状の原稿として書いたものを集めてみた。
当時想ったことを、干支の動物の形にして表現してみた。年代順位並べると、その時々で筆、紙、墨の工夫をしたことが思い出される。夏の終わり頃から気になりはじめ、お彼岸を過ぎると通勤の電車の中では構想が渦をまく、打ち消し振り出しに戻るの繰り返しであった。師走に入り、会社勤めとの間で年賀状作成作業の締め切りに、投げ出すように捻りだしたことも何度かあった。
還暦を節目にまとめてみると、落款には雅号の「西山」を使わず「哲」を使っている。学んだ書法とあまりにもかけ離れているから。作品の大きさに合うサイズの落款の持ち合わせがなかった。彫ろうとしなかった。賀状に本人の文字だとわからせたかった。など理由はいくつか考えられる。
毎年続けてくることができたのも、年賀状で励ましてくださる方、年末が迫っているのにいつまでも行動に出ない私に、無言のプレッシャーをくれた家内など、応援していただいた方々がいたからだと感謝している。この場を借りてお礼を申し上げたい。あと何年続けようか、違ったシリーズにしようか、毎年悩んで決心がつかない。
定年を迎える光満ちた窓辺で・・・
2009年1月 津田哲行
十二支の動物を、文字で絵に表してみた。きっかけは、ある暦の表紙がヒント。
その干支の意味する漢字を使って、象形文字などで表現したものは良く見かけるが、漢字の意味するところはさておき、その思いを示す漢字または熟語で干支をあらわそうと考えたのが始まり。
干支は12、音階は、鍵盤は12個で繰り返す。
このコーナーの題「干支字」を、英語で表したら?
A
to Z(エートゥズィ)や、A to G#(エトゥジー)はどうだろう。
音階は、AからG#で繰り返す。
このように考えると、
「干支字」は音楽と接点を持つことが出来る・・・黒と白が飛び交う。
・・・とこじつけてみた、梅雨空の下・・・・
津田 西山
2009年7月4日
|