E-88
ギリシャ本土よりトルコに近いところに
ある
コス島
は、東西40km、南北8km
、
肥沃な平野とその反対に不毛な高地をもつ、人口は約
30,500
人という小さな島です。
島の周囲は、長い砂浜とホテル、そして閑静な村が続き、主な産業は観光です。小麦、とうもろこしに加え、ブドウ、アーモンド、イチジク、オリーブといった果物、そしてトマトやレタスなどの野菜が栽培されています。
コス島は、
医学の父と呼ばれる
ヒポクラテス Hippocrates
(紀元前460頃〜377頃)が医業を営み、後進の教育にあたった地でもあります。ヒポクラテスは、医の倫理を述べた「
ヒポクラテスの誓い
」でも知られています。
ヒポクラテス
は、このコス島で生まれたと伝えられています。
コス島には、古来より
スズカケノキ
Platanus orientalis
、別名プラタナスが生い茂り、
ヒポクラテスの木
とも呼ばれ、各国の医学部や研究所などに移植されています。私が勤めていた茨城県にある製薬会社の研究所横にもこの木を建築時に植えました。日赤株と呼ばれていたと記憶しています。おそらく日赤を経由して広められた株ではないかと思います。
この木はどんどん大きくなり、すぐに建物の3~4階くらいに達してしまいました。その割には根づきにくいこともあるらしく、枯れてしまったという話も聞きますが、幸いにもこの木は丈夫に育っています。
コス島には
ヒポクラテス
を記念し、
国際ヒポクラテス財団
本拠地と
ヒポクラテス博物館
が作られています。また、日本では、その実が楽器の「
鈴
」に似ているところから、『
鈴掛けの木
』と名付けられ親しまれています。
研究所のとなりには照明付きテニスコートがあります。ここでテニスの基礎を身に付けたか
ナ
…。
プラタナスが枯れて散る時はバサバサと落ちるので風情に欠けます…。どうも大雑把な感じです。
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加 藤 良 一 2011年11月24日