《 雑 感 2007年 》
6月28日 半夏生
女子美術大学名誉教授の岡田芳朗氏が月刊『言語』に「暦のことば」というコラムを連載している。7月号は「半夏生」(はんげしょう)の紹介だった。
髪が気になる方にはいささか申しわけないが、コラムは南部絵暦にある老爺が禿(はげ)ができたことを嘆いている絵「半夏(禿)生」について書いている。これは「禿生ず」で半夏生と読ませる。禿は方言で「はんげ」というからまさに言い得て妙である。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』では、半夏生をつぎのように説明している。
半夏生(はんげしょう)は雑節の一つで、半夏(烏柄杓)という薬草が生えるころ(ハンゲショウ(カタシログサ)という草の葉が名前の通り半分白くなって化粧しているようになるころとも)。
七十二候の一つ「半夏生」(はんげしょうず)から作られた暦日で、かつては夏至から数えて11日目としていたが、現在では天球上の黄経100度の点を太陽が通過する日となっている。毎年7月2日頃にあたる。
農家にとっては大事な節目の日で、この日までに農作業を終え、この日から5日間は休みとする地方もある。この日は天から毒気が降ると言われ、井戸に蓋をして毒気を防いだり、この日に採った野菜は食べてはいけないとされたりした。
岡田氏のコラムでは、半夏について、さといも科の多年草で、太陽暦の7月1日か2日ごろに花が咲くところから半夏生の名が付けられたとしており、和名を「からすびしゃく:烏柄杓」(写真)、根は漢方薬の「ほそぐみ」で、咳止めやつわりなどに用いられるとしている。さらに、半夏のほかに「はんげしょう」(方白草:かたしろぐさ)というどくだみ科に属する多年草があるので、はなしが混乱しているという。
「はんげしょう」(写真)は、夏至のころに茎の上のほうの葉の片面が白く変色するところから、ほんとうは「半化粧」だという説があるとも紹介している。
なお、リンクした写真は畑田文彦氏が運営する「私の花図鑑」というHPに掲載されているもので、ご本人の承諾を得ていることを付け加えておきます。畑田氏のご好意に深謝致します。
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